母の介護

(9)入院、そして施設へ

深夜の国道1号線。 ひたすら車を走らせた2時間は、これまでの人生で一番長く感じられたかもしれません。母が転倒して救急搬送されたという知らせを受け、ようやく辿り着いた病院。救急外来の重い扉を恐る恐る覗き込むと、そこには夕食も摂らずに待っていて...
母の介護

⑻突然の救急隊員から電話。

夕食を取ろうしたその時、日常を切り裂くように鳴り響いた携帯電話。画面に表示された見知らぬ番号の主は、救急隊員の方でした。「お母様が路上で転倒され、頭を強く打たれました。これから病院へ向かいます」心臓が跳ね上がるのを感じました。実家までは車で...
母の介護

⑺消えた足音、残された異臭。そして「アンモニア」の波。

あんなに苦労したネズミに比べれば、G(ゴキブリ)たちの撃退は驚くほどあっけないものでした。「ブラックキャップ」と「コンバット」という二大兵器を惜しみなく投入した結果、わずか一、二ヶ月で、夜な夜な台所を支配していたあの不快な足音は止んだのです...
母の介護

⑹終わらない聖戦。ネズミの去った家に君臨する「次なる主」

四年にわたる激闘の末、私はついに勝利を手にしました。数え切れないほどの粘着シートを投入し、超音波機器から殺鼠剤まで、投じた費用と労力は計り知れません。実家を占領していたネズミたちは、今や一匹の気配もありません。けれど、この平和はあまりに脆い...
母の介護

⑸【最終章】そして、静寂が訪れた。完全勝利の記録。

(前回の続き、ソファ下の惨状や巨大ネズミとの遭遇を経て…)そんなこんなで四年の月日は流れ、私が仕掛けた粘着シートによって捕獲されたネズミの数は、累計で46匹にものぼりました。非公式ながら、ギネス記録に申請しても誰も文句は言わないであろう、凄...
母の介護

⑷ネズミからの実家奪還に捧げた、私の四年間。

月に一度、静岡と愛知を往復する二拠点生活が始まって、はや四年。 実家に帰省する私の目的は、両親を病院へ連れて行き、ケアマネさんと今後のプランを練り、少し億劫そうにしている母の背中を押して家事を促す……そんな「介護」がメインのはずでした。しか...
母の介護

⑶捕獲作戦の果てに。母の強さと、父の靴下。

ネズミたちの通り道は、意外な場所にありました。冷蔵庫の上の天井。コードを引き込むための大きな穴が、彼らにとっての「秘密のゲート」になっていたのです。私の手では到底届かないその場所を塞ぐことは叶わず、私たちは「迎撃」という形で作戦を立てること...
母の介護

⑵潜む影、響く足音。ネズミと私の「宣戦布告」

母の介護申請を終え、月に一度のペースで実家へ帰省するようになった私を待っていたのは、想像を絶する「同居人」たちとの戦いでした。夜、家の明かりを消して布団に入ると、静寂を切り裂くように聞こえてくる「カサカサ……」という乾いた音。続いて、ガラス...
母の介護

⑴あの日、「介護」という現実がネズミと一緒にやってきた

母に認知症の診断が下りたのは、約5年前のこと。 始まりは、地域の民生委員さんからの「お母さん、ちょっと様子がおかしいよ。ケアを考えた方がいい」という一本の電話でした。薄々感じていた違和感が、確信に変わった瞬間。 頭の中に「介護」という重い二...